|
醸造用アルコールって何でしょう。 醸造用アルコールを加えた清酒を買うと原材料表示の所に書いてありますよね。 純米酒にはもちろん書いてありません。 主には味にきれを出し、風味を引き立たせる手段として利用されています。 また、酒の貯蔵時の安定性を出すためにも利用されています。 純米酒の常温貯蔵は劣化が激しく難しいのが理由です。 清酒は貯蔵することにより、より熟成感のある風味豊かな口当たりの良いものとなります。
添加されるアルコールは連続蒸留機で蒸留されたものを利用します。 原料は糖蜜など様々です。 普通は協和発酵、メルシャンなど大手の企業がこの原料用アルコールを製造していますので、そこから買ってきます。 内容的には甲類の焼酎と同じです。 甲類焼酎は連続蒸留機で製造された高濃度のアルコールを36%以下になるように水で希釈して販売しています。 我々もこの高濃度のアルコールを買い付け、蔵のタンクに移すときに30%程度まで希釈して貯蔵・使用します。 高濃度で貯蔵すると引火の危険性もあり、消防法の絡みも発生するので、入庫時に希釈してしまいまいます。
日本酒は麹かびの酵素によって糖化された米のデンプンが清酒酵母の力でアルコールに変わって行く訳なので、スタートは甘いところから始まります。 段々、糖化されたデンプンがアルコールに変わっていく課程で辛口の酒に近づいていきます。 醸造の最終段階でアルコールを添加する作業(アル添)を行うわけですが、俗に言う三倍増醸酒以外はアルコールを加えすぎて日本酒の味を感じることが出来ないほどにはアルコールは加えません。 本醸造酒の場合の規定は米1トンに対して120L(100%)です。 各蔵ごと製品毎にこの範囲内で使用量を決定しています。
アル添の技術はかなり古くからありますが、戦争中に米が無くなった時代の産物として三倍増醸法というのが考えられました。 現在の規定では米1トンに対して2400L(30%)が認められています。 この場合、これだけでは酒の風味が無くなってしまうので、糖類や酸味料を添加します。 ブドウ糖、水飴、グルタミン酸ソーダ、コハク酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸・・・・などなどが添加されます。 三倍増醸の場合は、原料表示欄に醸造アルコールの他に糖類・酸味料などと加えられた副原料を明記することとなっています。
当社では三倍増醸酒の製造は行っておりませんが、幅広い製品にアル添を行っています。 純米酒系のお酒も数多くありますが、アル添酒を廃止するには至っていません。 アル添はその是非を巡って論議される所ですが、添加しているアルコールは勿論化学合成されたものでもなく、添加することによって製品の安全性を損なうものではありません。 本来の日本酒と違うという意見もありますが、アル添酒はそのひとつのバリエーションとして存在価値があると考えています。 純米酒には純米酒の良さがあり、アル添酒にはアル添酒の良さがあると考えています。
時代の流れや設備面、流通面での革新でオール純米になる日が来るかも知れません。 当社においても徐々に純米酒類の出荷量が増えてきています。 言い訳がましい説明になってしまいましたが、これが現時点での当社の見解です。
|