一麹、二もと、三造りと言われ、麹造りは酒造りの中でも品質を左右する最も大事な行程。 酒を造る上で必要な酵素は約200種類ほどあると言われていますが、正確に解明されているのはその1割程度。 麹はその酵素を作る大事な役割を果たします。 最も一般的なのは米のデンプンをブドウ糖へ糖化させる酵素。 また、そのブドウ糖が清酒酵母の力でアルコール発酵するときの栄養源を与える酵素などがあります。 またオリゴ糖類を作り、酒の旨味成分を作るものも多数存在します。 その様々な酵素を上手に作ってやるのが麹造りと言うことになります。
秘密の花園っでなくて麹を造る麹室の入り口。 そとは寒くても室の中は真夏の温度!
良い酵素の力を生み出すためには『つきはぜ』と言って、米の表面ではなく、米の芯に向かって麹カビの菌糸を食い込ませることが重要です。 その為に麹カビにとってはせっかくいい気持ちの温度なのにすくすく育つのに必要な水分を米の表面から少なくし、麹カビが必死に生きようとする気持ちを使って、それでも水分の残る米の中心へ向かわせるわけです。 いじめですね。 だから麹室は30〜35度位の温度があるにもかかわらず、除湿器をガンガン入れて湿度を下げるわけです。 麹室の中でぐっすりと寝ちゃうと喉がガラガラ何てことになってしまいます。 暖かいからと言って麹室では寝ないようにしましょう。
多少の違いはあるものの、中・小規模蔵の多くが当社の様な体制で麹を造っています。 当社は箱麹法と言って、上でご紹介したような大きさの箱状の容器を使っていますが、蔵によっては蓋麹(ふたこうじ)法と言って、上の容器より更に小さい容器を使って造るところもあります。 そして、造る酒の種類によって、手の掛かる箱麹や蓋麹で麹を造ったり、上の写真にあるような天幕と呼ばれるある程度自動化された装置を盛り後の作業で利用して麹を造るわけです。 天幕を使うとご紹介した積み替えの作業が要らなくなります。 手入れの作業は必要です。 もう少し量産する蔵になると全自動の製麹機(せいぎくき)を導入し、完全自動化することも可能です。 全自動・半自動の製麹機とも複数のタイプがあります。 上でご紹介したとおり、完全手作業の麹造りは昼夜を問わずの過酷な労働条件となってしまうため、当社ではある程度省力化が可能な天幕と箱麹法の2本立で麹造りを行っています。